ハイエースやボンゴなどのバンで、バンライフや車中泊をするときに重要なのが、車内の温度を少しでも快適にすること!そのために真っ先にやるべきが「断熱材」の設置です。
車の断熱材はなぜ必要?
車のボディは大体が鉄板1枚とガラスです。ゆえに、冬は外気で車体が冷え、車内の温度が下がります。夏はその反対で、車内温度が上昇します。
走行中はエアコンで温度を調整できますが、エンジンを止めたら次第に温度が外気にひっぱられていきます。とはいえ、常にエンジンをかけておけません。ポータブル電源を使って冷暖房機器(エアコンなど)を設置することも可能ですが、費用がかなりかかるのがネックです。
そこで断熱材の出番!
家を思い出してみてください。家は外壁と内壁があり、その間に断熱材を仕込み、保温性を高めます。車も同じで、外の鉄板と内張りの間に断熱材を入れることで、保温性がアップするんですね。
断熱材のない家は寒すぎますよね、車も同様です。
断熱材は、冷暖房機器よりもかなり低コストで設置でき、意外と難しい作業でもないですから、バンライフを楽しみたい方はぜひトライをおすすめします!
筆者も設置しましたが、体感したのは「エアコンの効きが良くなった」です。車中泊中は、冬は刺すような寒さが和らぎました。
断熱材を選ぶポイント
断熱材は、ボディの鉄板とガラス、それぞれが必要です。ここではボディの断熱材について説明します。
まず断熱材を選ぶポイントについて。
・断熱性
・燃えにくさ
・安全性、有毒ガス濃霧
・湿気、結露の耐性
・吸音、遮音性
・費用
性能に優れているほど、材料費が高くなるので、どうバランスを取るかがキモとなります。
断熱材の種類
さらに断熱材には種類があります。
大きくは「繊維系」「発泡プラスチック系」「天然素材系」の3つ。ただ天然素材系は高価格で、そもそも市場であまり出回っていません。
繊維系、発泡プラスチック系で、自分で設置できるを基準に、選択肢に入れた素材を紹介します。
繊維系
■グラスウール
ガラスを主原料とする人造繊維で、断熱性・不燃性・吸音性に優れており、人体に安全であることから世界中で長年使用されている素材。
GOOD | ・火に強い ・防音効果がある ・劣化しにくく、断熱性能が長続きする ・価格がお手頃 ・JIS規格内で製造されていれば有毒ガスはほぼ出ない |
BAD | ・吸湿性があまりないので湿気に弱い ・素材を扱うときにチクチク感あり |
■ロックウール
高炉スラグを高温で溶かし、遠心力で吹き飛ばすことで繊維状になった人造鉱物繊維のこと。お値段はグラスウールより高いですが、性能はその分優れています。
GOOD | ・火に強く、高い断熱性能がある ・収音性能が高い ・害虫に強い ・リサイクル性が高く環境に優しい ・JIS規格内で製造されていれば有毒ガスはほぼ出ない |
BAD | ・素材を扱うときにチクチク感あり ・水分を吸うと断熱性能が低下する ・グラスウールよりも高価 |
■シンサレート
3M™社が研究・開発した、高機能中綿素材。布団やダウンジャケットに多く使用されている、一般的な断熱材です。
GOOD | ・湿度調整 ・火に強い、高い断熱性能がある ・防虫効果が高い ・湿度に強い ・吸音性能が高い ・有毒ガスはほぼ出ない |
BAD | ・素材を扱うときに静電気が発生することも ・グラスウールよりも高価 |
発泡プラスチック系
■ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)
ポリスチレン樹脂を発泡成型して作られた断熱材。
GOOD | ・素材が軽く、自由に形成しやすい ・耐水性があり結露に強い ・劣化が少なく長持ち ・有毒ガスは出ない |
BAD | ・燃えやすい ・板状なので曲線にして使いにくい ・燃えると有毒ガスを発生する可能性あり |
ボディの断熱材に使うには正直、適していないと思いますが、窓ならポリスチレンフォームはオススメ!
市販で遮光シート(サンシェード)は売ってますが、ぴったりの形に簡単に作ることができます。
↓ポリスチレンフォームではないですが、ポリエチレンで作ったサンシェードの記事はこちら
■ウレタンフォーム
ポリイソシアネートとポリオールという成分を、発泡剤や触媒などと一緒に混ぜてできた材料。
こちらは有毒ガスが発生するので、オススメできません。
GOOD | ・湿気に強い ・防音性がある |
BAD | ・有毒ガスが出る ・燃えやすい、熱に弱い ・扱いが難しい |
■ペフシート
素材で有名な東レが作っている、シート上の発泡体で、クッション性のある素材。ハイエースの断熱といえば、ペフシートを採用する人が多いようです。
GOOD | ・湿気に強く、結露を防ぐ ・断熱性に優れている ・施工しやすい ・有毒ガスは出ない |
BAD | ・グラスウールよりも高価 ・経年劣化する |
我が家がペフシートを選んだ理由
最終的に、グラスウールとペフシートで迷い、ペフシートを使いました。
理由は、ペフシートのほうが断熱性、湿気遮断性が優れているからです。一方でグラスウールは、防音性、防火性、耐久性が高いです。
また柔らかいので、ハサミやカッターで簡単に切れる上、裏側には粘着シートが付いていて貼るのもすごく便利。初心者向きです。
ただし、ペフシートは耐久性が低く、10年くらいのもちと言われているよう。物は試し、10年後を待ちます(笑)。
ペフシートを設置した結果、先に述べたように、「エアコンの効きが良くなった」のを実感しますし、冬の車中泊で「刺すような寒さ」は軽減しました。
車の断熱材ついでに制振材も!
断熱から話がそれますが、我が家のバンは、雨音もキツイ!
高いパンパンという音は、車内の音楽をかき消すほどでした。
車の断熱材と一緒に「制振シート」も貼ると効果的と知り、合わせて設置。これが大正解!雨音が和らぎ、雨の日も快適に。一緒に設置するだけなので、バンの方はこちらも合わせて取り入れるのが断然おすすめです。
実際にDIYで、天井に断熱材をつける!
ここからは、DIYの様子を紹介します。
1.天井を外します。
・留め具の種類がいくつかあったので、後でつけ間違わないように、分かりやすく保管します。
・電気まわりで少し手こずりますが、焦らず進めれば、意外と簡単に外せます!
2.天井をキレイに掃除します。
3.先に制振シートを貼ります。
こんな感じで、まばらでOK。本当に、これだけで雨音が静かになります。
4.断熱シートを隙間なく、押しつけるようにぴったり貼る。
最後に天井を戻して完成です!
一人だと、天井を外すのがきついので、二人で行う方がよいです。
我々は夏場にDIYしたので汗だく。春や秋の気候がいい時の方がいいですね(苦笑)。
2時間くらいで済みましたよ。
車の断熱材のDIY、参考になれば幸いです!